発熱、せき などの かぜ症状のある方は、 事前に電話087-835-3366)連絡の上、ご来院ください(発熱外来のオンライン予約も可能です)。 また、ご来院のみなさまには 引き続きマスクのご着用をお願いいたします。

慢性胃炎は、胃の粘膜に慢性の炎症が認められる場合をいい、その多くにヘリコバクター・ピロリ菌という菌の感染が関与しています。ピロリ菌感染は胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となることに加え、慢性的な胃炎が持続することが胃癌発症と大きく関わっていることがわかっています。ピロリ菌感染の有無については胃カメラで胃の状態を確認し、血液検査や呼気試験などで評価します。ピロリ菌の除菌は1週間内服薬をのむだけです。慢性胃炎の症状はあまりないことが多く、胃の症状がない方でも一度は胃カメラ、ピロリ菌検査をすることをおすすめします。

検査方法

検査法としては、
①血液検査(ヘリコバクターピロリ抗体検査)
ピロリ菌に対する抗体が血液の中にどのくらい含まれているかを調べます。
血液検査も尿素呼気試験と同じく、検査の負担が少なく検査精度が高いことからよく利用されています(感度88-100%、特異度50-100%)。
②尿素呼気試験
尿素呼気法は、 Urea Breath Test といって、ピロリ菌の持つ ウレアーゼ活性 を利用した検査ということになります。
感度97.7~100%、特異度97.9~100%と、ともに高い検査です。また、患者さんへの侵襲がないことも大きな特徴です。
精度の点からも、患者負担の点からも大変優れた検査です
③便中抗原検査
検便のように便を採取し、便の中にあるピロリ菌抗原の量を測定することでピロリ菌がいるかどうか判定できます。
便中抗原検査も検査精度が高く、除菌判定にも用いることができます(感度96-100%、特異度97-100%)
④迅速ウレアーゼテスト
内視鏡で生検した胃粘膜組織を試薬に入れ、試薬の色の変化で判定を行います。
内視鏡検査後20分~2時間で迅速に判定が行えること、検査精度が高いことから内視鏡検査と同時に行われることが多い検査です(感度91-98%、特異度91-100%)。

当院では上記①~④いずれも可能ですが、一般的には感染の有無についてはヘリコバクターピロリ抗体検査(血液検査)を用い
除菌できたかどうかの判定に尿素呼気試験を行うことが多いです。

治療

2種類の抗菌薬と1種類の胃酸分泌抑制薬の計3種類を、1日2回(朝、夕)、合計7日間内服します。
まず最初に行う治療を一次除菌と呼びます。約90%の人が除菌できると言われています。
一次除菌が不成功だった人には二次除菌を行います。日本では二次除菌までが保険適用となっています。

副作用
除菌治療を受けた人のうち約4%に副作用が見られるというデータがあります。
除菌治療でよく見られる副作用は、下痢・軟便、味覚異常、口内炎、発疹などです。
多くの場合は軽い副作用があっても内服を続けられますが、強い副作用が出た場合には内服を中止する必要があります。
除菌治療を始めてから気になる症状が出た場合には相談してください。

検査費用(3割負担の場合)

検査料(診察料等は含まれず)

抗体検査
780円
尿素呼気試験
1,460円